巡る奈良

祈りの回廊(社寺・国宝など)

奈良県は、古墳時代のヤマト政権と天皇を中心とした古代律令国家のふるさと です。そのため、累代の天皇の宮室跡や御陵、活躍した有力者の古墳が数多く残さ れています。
 初代神武天皇の畝傍橿原宮をはじめ、幾代もの天皇の宮室が高市(たかい ち)・葛城(かつらぎ)・佐紀(さき)・磐余(いわれ)などで営まれ、その伝説 や伝承地が県内各地に伝えられています。その後、最初の本格的都城である藤原京 を経て、遣唐使がもたらした唐長安城の最新情報を元に平城京を造営、藤原宮や平 城宮は巨大な宮殿へと発展します。
 一方、古墳ではヤマト政権が芽生える3世紀、三輪山麓に築造された箸墓(はし はか)古墳が、もっとも古い大型前方後円墳です。その後、4世紀最大の古墳であ る伝景行天皇陵(渋谷向山(しぶたにむかいやま)古墳)をはじめ、多くの大型古 墳や大小の古墳群が築造されました。6世紀には、副葬品が国宝に指定された藤ノ 木古墳や県内最大で国内最後の前方後円墳である史跡丸山古墳が、律令国家へのあ ゆみを進める7世紀以降には、飛鳥のランドマーク石舞台古墳や極彩色の壁画が話 題となった高松塚古墳やキトラ古墳など、高度な土木技術と豊かな文化を表す古墳 が造られました。

 奈良県の宮跡・古墳は、古代史の唯一無二の舞台であり、膨大な出土品は当時の 様子を雄弁に語ってくれます。同時に、人々が行き交うまちなかで、のどかな田園 地帯や風光明媚な山中で、奈良の美しい景観の一部として大切な役割を果たしてき ました。眺望が素晴らしい古墳や宮跡に立っての国見もいいですし、大極殿からい にしえの京へ思いをはせるのも、周辺の旧跡を訪ねて時代を体感することもいいで しょう。その楽しみ方は、無限大です。

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